宇宙と芸術展@森美術館

ぼくがわりとやる手口ではあるのですが、なんでもかんでも「宇宙」のせいにします。

美しいもの、かわいいもの、おいしいもの、気持ちいいもの、楽しいもの……等々。
素敵なものがどうして素敵であるのか?その原因が結局よくわからないので、そういったものを宇宙の不思議ということで話をまとめることが多いです。
アート関連の話は言わずもがなですが、先日にいたっては、タンメンのおいしさに感動して、そこにも宇宙の秘密があるとしています。

いかがなものかとは思いますが仕方がありません。それ以外の表現方法が見つからないのですから。
年をとればとるほど、わからないもの知らないものが増えてくるような気もして、身の回りに宇宙の秘密がどんどんあふれかえっていきます。

さて、そんな折りに森美術館でやっている「宇宙と芸術展」に行ってきました。
本展覧会では、隕石や化石、ダ・ヴィンチやガリレオ・ガリレイ等の歴史的な天文学資料、曼荼羅や日本最古のSF小説ともいえる「竹取物語」、そして現代アーティストによるインスタレーションや、宇宙開発の最前線に至るまで、古今東西ジャンルを超えた多様な出展物約200点が一挙公開されています。

展覧会最初に出てくる曼荼羅なんかを宇宙ととらえるセンスは、ぼくも共鳴するところではあります。この仏教観を表す絵に対して、たしかに宇宙を感じるねとぼくも言いたくなります。コンラッド・ショウクロスの「タイム・ピース」という作品は時空をテーマに、時間の可視化を試みています。この作品を前にすると宇宙で過ぎてきたであろう途方もない時間を意識せずにはいられません。

要するに人間ってなんてちっぽけなんだろう?という世界観をかたちづくるものが、ぼくにとっての宇宙観だったりするのだな改めて認識するに至りました。

本展覧会は、曼荼羅があったかと思えば、ウォルフガング・ティルマンスとか、アンドレアス・グルスキーの作品なんかもあって、古今東西いろんな宇宙があってとても楽しい展覧会です。思いもよらぬいろいろな角度から宇宙を考えるきっかけになると思います。

宇宙の秘密はどこにあるのか?
ますますわからなくなる今日この頃ではあります。