土木展@21_21DESIGN SITE
宇宙と芸術展からの土木展ということで、宇宙的なマクロな視点から、地球の土木という一気にミクロ的な視点への変化でありましたが、よくよく考えたら、宇宙の前に地球のこともぜんぜんわかってないじゃないか?
むしろ、土木の宇宙だよ!
と後頭部をひっぱたかれる思いでありました。
本展覧会で展示されたのは、土木のことのほんの一端でしかない(だけにもっと多くを期待する人にとっては物足りないと感じられるかも)と思うのですが、ぼくにとってはその深さと面白さを知る大きなきっかけとなりました。
「ダイダラの砂箱」という、箱の中の砂場の山や谷をつくるとその高さに応じて等高線や色の変化をその砂場にマッピングしてくれるという作品があります。大人も子供も夢中になってその砂場で遊ぶのですが、砂場で山をつくる、谷をつくるという行為が、測量という行為へとシームレスにつながるのです。これは、まさに本展のテーマである「土木」を体感する装置とも言えるのではないでしょうか。
その他にもダムカレーのサンプル展示とか土木技術をやさしく紐解くアニメーションやら土木オーケストラの映像作品やらあの手この手で楽しませてくれます。
そしてこの展覧会は、ここ21_21でやることに意義があったのだと思います。この安藤忠雄の緊張感ある作品が土木の明るい未来を祝福しているような気さえするのです。
「土木ってなんかいいやつじゃん!」
この展覧会に行った人は、そんなふうに感じたのでないでしょうか?
ぼくもそんな土木を見直したうちの一人。東京五輪を4年後に控え、急ピッチでインフラ整備を続けねばならないこの東京で、また違う視点の楽しみ方ができるかも。土木に注目です!