福砂屋のカステラです。カステラ界では最高峰の呼び声高い「五三焼」という商品です。

その名前の由来を福砂屋さんのHPで調べてみたのですが発見できませんでした。グーグルさんに聞いてみたところによると、卵黄と卵白の割合が五対三であったからとか、贈答用に桐箱に収めたことから、桐の家紋“五三の桐”にちなんでいるなど諸説あるようです。

まぁ、とにかく特別な逸品ではあります。普通のカステラよりも卵と砂糖が多めだそうです。見た目もゴージャスに黄金色に輝いて見えます。そのキメが細かくしっとりとした生地は、とてもコク深い味わいです。

特筆すべきは、写真でもお分かりのように底面のザラメでしょう。ぼくにとっての福砂屋のカステラと言えばこのザラメなわけです。アクセントとなる「じゃりじゃり」っとした舌触りがたまりません。

よくよく考えるとこの「じゃりじゃり」が生きるのは、滑らかでしっとりとした本体の生地があってこそなんですよね。この本体がもしどこぞの二流カステラのようなキメの粗い、ぼそぼそっとした食感であったとするならば、この「じゃりじゃり」はむしろ逆効果になっていたことでしょう。なんて雑な味なんだと。

足の長いモデルや二枚目俳優が履くダメージジーンズのようなもので、例え同じものであったとしても、ずんぐりむっくりのぼくのような人間が履くそれは、似て非なるものになってしまうのです。

そして、この滑らかでしっとりなカステラは熟練の職人の手によって生まれるということを知るとまたぐっときてしまうのです。