幡ヶ谷のスパゲッティ屋さん言えば「ハシヤ」さんです。
イタリアから伝来したスパゲッティを日本人のフィルタで見事にアレンジしています。

きのこがたっぷり入った醤油味のスパゲッティや焼イカがのったタラコスパゲティはばかうまです。本場のイタリアンではないけれど、日本人の琴線にふれる味。そう、これはおふくろの味と言ってもいいかもしれません。

イタリア人がもしこのスパゲティを食べたら何と言うでしょう?マンマ・ミーアと言うと思います。マンマ・ミーアを直訳すると「俺の母ちゃん」です。でも、「なんてこった」という意味で使われます。オーマイゴットみたいなもんですね。

うまいことを言おうとして、話がとてもややこしくなりました。つまり何が言いたいのかというと、イタリア人もびっくりなおふくろの味がそこにあるということです。

こういう日本人のアレンジ能力に関して、折に触れて書いているような気がします。カレー然り、ラーメン然り、日本に伝来してから独自の進化を遂げて高みに達する料理がたくさんあります。もちろん食の世界だけでなく、あらゆる分野でそうした事象に事欠きません。

ガラパゴス諸島の多くの生物は、大陸から隔離された環境ゆえに、独自の生態系をもって進化してきたと言われます。日本もいわゆる島国だけに、文化がガラパゴス的な進化を遂げやすい土壌であると言えるのかもしれません。

ガラケーなんて言葉もありますが、ハシヤのスパゲティはガラスパですね。いい意味で。