近代工芸と茶の湯II  展 @東京国立近代美術館

に行ってきました。
本展覧会では、東京国立近代美術館が所蔵する近・現代工芸のコレクションの中から、「茶の湯のうつわ」をテーマに選び出された作品が展示されます。

三輪休和の萩茶碗や加藤孝造の瀬戸黒茶碗など、近・現代の巨匠たちの作品が目白押しです。一流の茶道具をこれでもかと堪能することができます。
そして、本展がユニークで楽しいところは「見立て」にもウェイトも置いているところです。

「見立て」とは、道具を本来の用途ではなく別の用途として使うことです。茶の湯の世界では、この「見立て」という行為がしばしば重要な意味を持つことがあります。千利休の時代の茶人たちが、朝鮮半島の雑器であった高麗茶碗を茶の湯の道具として重宝したのは、まさに「見立て」の際たる例でしょう。
茶碗に限らず、茶入れだったり、花入れだったり、あらゆる道具を見立てることを茶人たちは楽しんできたのだと思います。

ですから、ルーシー・リーのうつわが本展にあったとしてもなんら不思議ではありません。むしろその見立てが、実に茶の湯的だなぁと思ったりするわけです。ルーシー・リーのどピンクの茶碗が畳に置いてあって、シャカシャカお茶を点てているところを想像するとちょっとグッときますよね。

ということで、人間国宝から、イギリス人の人気作家まで、いろいろなうつわを楽しむことができる本展は、改めて茶の湯の奥深さと楽しさを感じさせてくれる、そんな展覧会でありました。