笹塚、本間酒店がぼくに日本酒の魅力を教えてくれた。

笹塚にある酒屋さん、本間酒店さんです。

ここの酒屋さんは、無濾過生原酒専門の酒屋さんです。

いわゆる普通の日本酒は、濾過をしたり、加水したりして味を調えていきます。さらに加熱処理をして酵母や微生物を殺して酒質の安定を図ります。無濾過生原酒は、この濾過も加水も加熱もしません。しぼったまんまのそのままの酒本来の味を楽しむためです。加水しないので、アルコール分は得てして高めですが、非常にフレッシュでフルーティな味わいです。
このずしっと重いけど、とても華やかという相反するベクトルの両立が、無濾過生原酒の魅力だと思います。

無濾過生原酒という字面だけ見ると、とても強い粗野な味を想像してしまいますが、そういう一面は確かにあるものの、逆にとても華やかな一面もあるんですよね。

しかも酵母が生きているせいか、微発砲しているようなものもすくなからずあり、後味すっきりのキレの良さを感じたりもします。

お酒を飲んで米の味がするという人もいますが、実はぼくは米の味がするというのがよくわかりません。まぁ米でつくってるから米の味なんでしょうけど、米の味が強弱までわからないですね。自慢じゃないですけど。
無濾過生原酒でいうと、フルーツで例えることが多いかもしれません。これはメロン。これはバナナ。みたいな感じですね。

無濾過生原酒の魅力を教えてくれたのは、この本間酒店さんに他なりません。いや、日本酒の魅力を教えてくれたのが、この本間酒店といっても良いでしょう。この壮大な宇宙の入り口に立たせてくれた本間酒店さんには感謝しかありません。強面の大将を前にすると今も緊張しますが、無濾過生原酒のように、一見強面でも実は……のような気がします。