現代アーティスト杉本博司と新橋の老舗料亭のコラボによる恐るべき和カフェ「茶酒 金田中」でランチです。
杉本博司の美意識から生まれたこの空間は、やっぱり落ち着かない!何度か来れば、さすがにリラックスできるようになるかなぁと思ったものの、やっぱりぜんぜん気が休まりません。
もちろんサービスが悪いとか、味が悪いとかそんなことはありません。サービスの方も笑顔で親切ですし、味もカフェレベルのはるか上を行きます。
でも、杉本博司の作品ってやっぱりすごい緊張感なわけですよ。作品と鑑賞者の間にピキーっンと張りつめた空気が流れます。作品に否応なしに対峙させられるその空間は、例えるならライオンの檻の中に放り込まれ、ライオンとにらめっこしている状態に近いです。
ライオンに睨まれた人間が、リラックスしてお茶や食事ができますか?
否です。
ですから、ここへは普通にカフェにくつろぎに行こうと考えてはいけないということに今さらながらに気づきました。ライオンの檻に入るんだという、ある種の覚悟をもって入店する必要があるのです。
その覚悟さえあれば、その空間の感じ方も変わるかもしれませんし、そこで過ごす時間も有意義なものになるのかもしれません。