N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅@森美術館

南インドの古都マイスール出身のアーティスト、N・S・ハルシャの展覧会に行ってきました。
N・S・ハルシャは、インドを代表する現代アーティストの一人でこの10年、世界各地で開催される国際展に数多くの作品を出品しているそうです。
森美術館がたまに開催するこうしたアジアの現代アーティストの展覧会って良いですね。こうした機会がないとぼくら日本人が、インド人の現代アーティストの作品に触れる機会ってなかなかないですもの。

さて、N・S・ハルシャの作品に見られる特徴的なスタイルは、冒頭の写真にもあるようにモチーフが反復して描かれることです。一見同じモチーフが整然と描かれているように見えますが、近づいてよく見ると、それぞれ個別に描き分けられています。どれひとつとて同じ物はありません。

彼が描く作品から提起されるのは「多様性」です。

デザインは問題解決。アートは問題提起。by  だれか

という言葉を昔聞いたときになるほどなと思ったのですが、N・S・ハルシャの作品は、まさにザ・現代アートだなぁと思いました。

アメリカで新大統領が誕生して、エキセントリックな移民政策や性差別発言で物議を醸すこんなご時世にピッタリなテーマです。

森美術館が時代を読んだのか、N・S・ハルシャが時代に呼ばれたのかわかりませんが、いずれにせよ今見るべき展覧会であることは間違いなさそうです。