東十条にある草月の「黒松」というどら焼きです。
妻の友人からのいただきものです。

このどら焼きは、東京三大どら焼きのひとつだそうです。
上野のうさぎや、浅草の亀十と並んで東京どら焼き界の巨頭の一角です。

「黒松」は、まだらな焼き目と黒糖の風味がトレードマークです。浅草の亀十もまだらな焼き目ですが、こっちの方がもっとハードにまだらです。黒糖が練り込んである生地は焼き面だけでなく中までうっすら褐色です。しっとりした食感に黒糖のコクが加わり、それが小豆あんと絶妙なハーモニーを奏でます。
見た目も風味もどら焼きとしては異端とも言える存在ながら、三大どら焼きの一つに数えられてしまうわけですから、やっぱり伊達ではないですね。

それから東十条ってところがまた渋いですよね。地方出身のスーパースターっていう感じがいいです。ついつい応援したくなってしまいます。どら焼き界のマニー・パッキャオと言ってもいいかもしれません。フィリピン出身のパッキャオがハードパンチを武器に次々と欧米人たちをノックアウトしていった全盛期の姿を彷彿とさせます。パッキャオがフィリピン人でなく、アメリカ人であったならちょっと話が変わってきますし、草月も銀座や赤坂のお店だったらまた別の感情が生まれていたと思います。

まぁ、なにはともあれ、黒松おいしゅうございました。