東高円寺の鰻屋さん「小満津」の鰻重です。

最初に元も子もないことを言ってしまいますと、ぼくは鰻が大好きです。スーパーの鰻にだって、満足してしまうくらいに「鰻にハズレ無し」と本気で思っています。

ですから、ここ「小満津」さんの鰻が、今まで食べた鰻の中でどれほどの位置にあるか?と聞かれると答えに窮してしまいます。でも、これだけは自信を持って言えます。今年食べた鰻の中で、間違いなくナンバー1の鰻です(なにしろ今年最初の鰻ですから)。

そんなぼくにとって、鰻重はどれも美味しいものではあるけれど、そのディテールはやっぱりお店によって違います。

炭火でじっくり焼き上げられた鰻はやっぱり美味しい。脂ののった養殖ウナギをぐずぐずにならずにふっくら仕上げるのも匠の技でしょう。香ばしく甘く深い味わいのタレも名店の貫禄か。糠漬けは自家製だろうし、卓上の山椒まで鮮烈さが違います。あと、ここは銘酒を揃えているところがうれしいですね。この日は、而今の愛山をいただきました。肝焼きとの相性は抜群で、ついつい飲み過ぎてしまいました。

改めてですが、鰻にハズレ無し。でも、鰻屋さんの個性はいろいろあります。その個性の違いを楽しむのもまた鰻の美味しさの要素の一つなんじゃなかろうかと思っています。