普段からお世話になっているお茶の先生より初釜の会にお招きいただきました。

初釜とは、新年最初の稽古を始める日のことです。
お茶を初めて2年目のぼくにとっては、ただの初釜ではなく、人生初めての初釜です。そんな人生初釜では軽いショックをうけることになります。

いつもの教室での会だけに、少し甘く見ていました。初釜とはとても特別な会であることを思い知らされます。てっきり今年最初のお稽古をみんなでわいわいやろうっていうくらいのことを想像していたのですが、どうやらそんな生易しいものではありませんでした。出席者の生徒のみなさんはかっちり正装です。女性はお着物、男性はスーツです。ぼくはいつもの稽古のつもりで、ジャケット&チノパンで行きましたので、早速うろたえます。でも、なるべくキレイ目の服を選んで正解でした。靴もスニーカーで行こうとしたけど、気が変わって革靴にしておいて本当に良かった……。なんとか、ギリギリアウトのようなギリギリセーフ、そんなグレーな判定でありました。ふう……新年早々脇に嫌な汗をかきました。

それにしても、床の掛け軸、お花、茶碗や茶入れ、水差しに至るまで、あらゆることに先生が心を砕いて準備をしてくれたことがうかがい知れます。お茶やお菓子もさることながら、用意してくれたお雑煮が本当に美味しかったです。白みそに丸餅、京人参やくわいが脇を添えます。母と義母のお袋の味を別にすると、我が人生で最高のお雑煮であったことは確かです。帰りにはおみやげの品なんかももらって至れり尽くせりです。

そんな場に対して、やはり背筋を伸ばして、きちんとした身なりでのぞまなかったことが悔やまれます。先生の礼に応じることができなかった自分がとても恥ずかしくもありました。

新年早々、きつい一発はいただきましたが、これだからお茶は楽しいなぁ。今年もがんばろうと決意を新たにしました。