半年ぶりの鮨さいとうです。
鮨さいとうに来ることで自分の現在地の確認作業を行います。それは、味覚の確認作業ということではありません。ちょっと大げさにいうと五感の確認作業と言っていいかもしれません。

「美味しい」という言葉には、「美」という字が含まれています。そのことを思い出させてくれるのが、さいとうさんの握る鮨です。

本当に美しい。魚の切り身が酢飯の上に乗っかっているだけのものがどうしてこれほどまでに美しいのかぼくにはわかりません。でも、それは確かに見ているだけで人を感動させる何かを宿しているのです。たぶんそれこそが「美」というものではないかと思っています。

さいとうさんに質問してみました。
「握りの写真だけ見て、自分の握りってわかるものですか?」と。
氏曰く、
「絶対、わかる」
とのことでした。

そうか、さいとうさんの鮨は作品なんだと腹落ちしました。たとえば、ピカソ本人が自分の描いた絵と他人の描いた贋作の違いが絶対にわかるのと一緒なんだなと。
そう考えるとアーティストが生み出す作品を、できたそばから食べてしまうというのはある意味背徳的ですらあります。その非日常こそが、鮨さいとうでの体験を一層特別なものにしているのかもしれません。

 

メモ:
白魚沖づけ(とてもでかい)
真鱈白子
あんきも
蒸しあわびと煮ダコ
子持ちヤリイカ
のどぐろ焼き物
毛がに

<にぎり>
マツカワガレイ
ブリ
コハダ
赤身
中トロ
大トロ
ヤリイカ
車海老
アジ
鯖鮨
ウニ
アナゴ
太巻き

たまご

日本酒:黒龍