今日は、家族で忘年会です。明日は紅白見ながらうち飲みということになりますので、外食がてらの我が家の忘年会は自動的に12月30日となります。

今年も本当にいい一年だったと、家族で健闘を称えあいます。今年の反省点を発表しようという話になり、次女から発表していきます。「無!」。そして、ぼく。「無!」。はいはい、ということでこの話題は終了します。

今日という日にふさわしいお酒は、静岡は土井酒造場の「開運」です。
ほぼ運だけで生きてきたと自負するぼくのような人間にとってはうってつけのお酒です。
来年も運の良い年でありますように、とありがたく頂戴します。

何と言っても、左側の「開運大吟醸 伝 波瀬正吉」です。波瀬正吉とは、杜氏の名前です。杜氏が自分の名前を酒につけたのは波瀬正吉が最初だそうです。彼は、能登杜氏四天王の一人としてその名を全国に轟かせました。能登杜氏というのは、石川県能登半島の杜氏集団のことで、江戸後期くらいの発祥と伝えられています。能登半島の海岸沿いの地域は農耕に不向きで、農閑期になると杜氏たちが出稼ぎに全国へ出るようになったそうです。その杜氏たちを能登衆と言ったりします。

そんな波瀬正吉が静岡の土井酒造に来たのが、1968年。以降30年に亘り開運を醸し続けました。亡くなった後も、そのDNAは受け継がれ、こうして「伝 波瀬正吉」としてぼくらが楽しむことができています。技術の継承はもちろんですが、日本酒という文化、文明の継承と言ってもいいかもしれません。
一年を終えようとしているこの自分史の節目に、こうしたお酒を味わえることは幸せだなぁと感じずにはいられません。

凄く力強いお酒です。純米大吟醸ですから、香り豊かでフルーティなのですが、濃口の旨みががつんと来ます。それでいながら、後口はわりかしすっきりしているものですから、スイスイ行ってしまいます。危険なお酒です。

他にも、「開運 純米大吟醸」「開運 無濾過純米」と利き酒を楽しんで、忘年会に相応しい夜になりました。

来年も開運三昧でありますように!