先日のノーベル文学賞でボブ・ディランの受賞が発表されて以来、久々にCDを棚から引っ張り出してきて聴きなおしています。

ロックとして聴いていたそれが、もはや文学として聴くことになるとは思いもよりませんでした。パラダイムシフトってやつです。ある意味革命ですよ。

この日を境に世界のルールが変わってしまったんですね。
昨日まではまったく関係のなかった人が、今日から突然競争相手になり立場が逆転するのです。
小説家からしたら、思いもよらぬ新たな敵が襲来したことになります。音楽家からしたら、未開のフロンティアが拓けたことになります。

こうしたことはビジネスの世界ではよくある話かもしれません。コンピューターメーカーだったAppleが突如とてして音楽業界を牛耳ることになったり、Amazonがサーバーをクラウド化してIBMらハードメーカーに大打撃を食らわしたりと。既存の業界のルールを破壊して新たなビジネスモデルを構築してしまう彼らのような企業のことをビジネスの世界では「ゲームチェンジャー」と呼びます。
ゲームチェンジャーの出現によって、それまではわが世の春を謳歌していた企業が一転凋落していく様を見るにつけ世の中の残酷さを感じずにはいられません。

ボブ・ディラン本人もこう歌っています。

How does it feel ?
How does it feel ?
To be without a home ?
Like a complete unknown ?
Like a rolling stone ?

どうよ?
どんな気分よ?
家もなくして
誰にも知られることなく
ただ転がる石の様になっちゃってさ

ゲームチェンジャーによって、蹴落とされた人々を声高に揶揄していますね。
明日は我が身だと思うと背筋が寒くなります……。は!?いかんいかん!そんな弱気でどうする!?

自分もゲームチェンジャーになれるんだ!とか、土俵が変わればおれも活躍できる!とか、今回のボブ・ディランのノーベル賞の受賞を前向きに捉えたいと思います。