頴川美術館の名品 展@松涛美術館

兵庫県の頴川(せがわ)美術館蔵の赤楽茶碗「無一物」が、渋谷区にやってきました。なんでも東京に来るのは30年ぶりだそうなので、これは肉眼で見て、しっかりとまぶたの裏に焼き付けねばと思い行ってきました。

千利休が自らの茶道を極めるために、長次郎に作らせたのが楽茶碗の始まりです。以来400年以上も楽家は千家のために茶碗を作り続け、現在は15代目が当代になります。

そんな歴史ある楽家の初代長次郎作の赤楽茶碗の中でも名椀中の名椀と言われるのがこの「無一物」です。
楽茶碗ってどっしり重厚なイメージがあるのですが、この無一物はなんだかとってもスマートな印象です。高台から腰にかけてのラインがシュッとしていて胴がスッとしていて立ち姿が本当に美しい。
釉がかりが薄く土の質感がダイレクトに感じられ、ただ茶碗というよりも土器みたいな風格も感じられます。

まさにわびの風情が全開バリバリといった感じです。

ここでふと思います。400年前は新品だったんじゃん。

それも見てみたい・・・。今こんなにカッコいいのに、若い頃のあんたはまた違ったかたちでカッコ良かったに違いないよ。

今のクリント・イーストウッドもいいけど、若い頃だってダーティ・ハリーさ。

写しの茶碗を買おうかな・・・