人形町の老舗、壽堂(ことぶきどう)の黄金芋です。
スウィートポテト的なお菓子にニッキをこれでもかとまぶして、焼き芋のような見た目になっています。これ、見た目だけでなく、皮のあたりがボソっとしてて、中身しっとり的な食感も焼き芋似です。

和菓子って結構、何かに似せるってパターン多いですよね。花に似せたり、魚に似せたり。これって季節感を大切に愛でるという日本人のDNAのなすところなんでしょうね、たぶん。春に春らしいお菓子を、夏には夏らしいお菓子で季節を楽しもうっていうことですよね。

そういう意味で、この黄金芋って異端ですよね。
万年、冬の季節感。普通の和菓子のように小豆とか寒天とかで何か別のものに似せるということでなく、芋が芋になるわけで、なんかちょっと変ですよね。

聞けばこのお菓子、明治のころから100年近くの歴史があるそうです。

異端でありながら、定番。定番でありながら異端。

芋を黄金芋に昇華させた壽堂は、ブルースをロックンロールに昇華させたローリングストーンズみたいなものでないかと、もの想いにふけながら、おやつの時間を楽しむ今日この頃でした。

ちなみに、このお菓子、味もいいけど、パッケージがいい!
民藝風だけどモダンなグラフィッカルな紙ジャケに、ジップロック的なビニール袋入り。
ここでも定番と異端の間で、その凄みを感じさせてくれるのでした。

黄金芋