蓮井幹生写真展:Mt.Fuji, an oasis of life

を観てきました。

同じ品川でやっていた篠山の写真展から逃げるようにして、健全な写真を観たいという欲求から、やってきましたのはここキヤノン本社にあるオープンギャラリーです。

本展で被写体になるのは富士山です。これ以上にない健全なテーマではないでしょうか?

でもよくよく考えると富士山というのが実は一番難しいテーマではないでしょうか。古今東西、プロからアマまで、ありとあらゆる富士山撮り尽くされています。

――もはや富士山をテーマにして新しい写真なんて生まれてこないのではないか?

そんなふうにすら思っていましたが、いい意味で裏切られました。

M.HASUIこと蓮井幹生が撮る富士山は、写真というよりはグラフィックデザインに近い。そんな印象です。
グラフィックデザイン的な構図の緊張感とプリントの質感により、これまで見たことのない富士山を生み出しています。
こんなにもシュッとした富士山の写真は見たことがありません。富士山ってカッケーんだと、ぼくら日本人の自尊心もくすぐってくれます。

写真家の存在意義とは、この世界の新しい見方を提示するということではないかと思っています。であるとならば、本展は蓮井幹生という写真家の面目躍如と言ったところではないでしょうか。