篠山紀信の写真展「快楽の館」@原美術館

に行ってきました。いつもは家族で行くことの多い美術館ですが、今回は一人で行ってきました。何しろヌード写真展ですから、小学生の娘たちを連れて行くわけにはいきません。別に年齢制限があるわけでも無いし、連れて行っても良いのかもしれませんが、なんとなく止めておきました。

自分たちは良いかもしれませんが、他のお客に迷惑かもなと思いました。この感覚は、ちゃんとした鮨屋にあんまり子供をつれていかないのと同じだなと思い当り腑に落ちました。大人だけの方が居心地のいい場所だって時にはあるものです。

それにしても、目のやり場に困るというか、とても恥ずかしく、居たたまれない展覧会でありました。

客の8割くらいが女性なんですよね。で、残り2割がぼくみたいなおじさんたちなわけです。すごいアウェー感を感じずにはいられませんでした。

ぼくは、アートという名の深淵な世界に触れようとこの場にいるだけなんですよ。なのに、助平親父を見るような蔑むような視線を感じずにはいられませんでした。
人の視線ってこんなに肌で感じるものなんだと、初めて知りました。なんか少し有名人の気持ちがわかったような気もしました。

さて、本展の内容はというと、篠山紀信が原美術館を舞台に撮り下ろしたヌード写真展です。美術館で撮ったヌード写真をそのままその美術館で展示するという企画です。本展のタイトルである「快楽の館」の「館」は、まさに美術館のことなんですね。

ヌード写真を前にすると、今ぼくが立っているこの場所で、まさにこの禁断の宴が繰り広げられていたのかということがダイレクトに脳内変換されます。残り香さえ感じそうな臨場感が迫ってきてなんとも言えない背徳的な気持ちになります。
写真を同じ場所で見るとこんなにも臨場感が出るものなのかと新たな発見でありました。
よくよく考えるとポケモンGOに似てるなと気づきます。この現実の風景に、ポケモンがあらわれるのか、女体があらわれるのかの違いだなと。

そして、この臨場感と背徳感をそこにいる観覧者達が共有しているという事実が、居たたまれなさを増長させるです。

ちなみに帰り際に図録を買ったのですが、なんかエロ本買っているような気分になり、そそくさと逃げるように美術館を後にしました。