醸し人九平次「彼の地」です。

このお酒のなんといってもこのルックスでしょう。漢字ドーンなラベルが好きな保守派の私のような人間には、なんとも挑発的な印象を与えます。

黒い瓶にはラベルではなく、シルバーの箔押し的な刻印加工がされています。
瓶に直接刻印というのがなんともフォトジェニックです。
酒名の「彼の地」と、酒米の収穫された年、醸し人九平次のロゴマークとタイポが刻印されています。このビンテージの刻印が効いてますね。毎年変わるものですから、ならべると壮観かもしれないなとか思ったりします。

味の方はというと、これがまた実に九平次的な味わいと申しましょうか、フルーティで酸がきいている米のワインといった印象です。ごく微量の炭酸も感じられそれがワイン的なキレに一役買っています。

瓶に酒米のビンテージがこれ見よがしに刻印されているわけですから、ビンテージで味の違いを楽しむのも面白いかもしれません。そんなワイン的な楽しみ方を、日本酒の世界で再構築してみせようという野心が、まさに醸し人九平次ブランドの面目躍如といったところでしょう。

「彼の地」というネーミングは、日本酒とかワインとかの垣根を越えて、新たな境地へと向かう意志の表れでしょう。