さあ、ラストスパートです。残すところもあと3日。悔いのないように過ごしたいものです。と書いておきながら、昨晩というか今朝の深酒がたたりひどい二日酔いです。

頭痛と吐き気が容赦なく襲い掛かります。二日酔いの正体は、アルコールがきちんと分解されずに体内に残ったアセドアルデヒトという毒素が原因のひとつとされています。

――アセドアルデヒト、アセドアルデヒト、アセドアルデヒト、アセドアルデヒト、アセドアルデヒト……

あーっ!ヒデト!!

FC東京の高橋秀人がヴィッセル神戸への移籍が決定してしまいましたね。
これについてはぼくの中でも整理できずに、もやもやしていたのですが、いかんともし難いその想いを二日酔いが呼び覚ましてくれました。

思えば今シーズン、チームがピンチの時にいつも救ってくれたのが秀人でした。あの時だって、この時だって、いつも秀人がチームを救ってくれたじゃないですか?

良い攻撃は良い守備から。これを幾度となく証明してみせたのが高橋秀人でした。

前からの守備でショートカウンターを嗜好する篠田監督のボランチ像に近いのは、ボールを運べたり、パスの組み立てができる田邊草民や梶山陽平の方かもしれません。ハ・デソンが本調子なら彼がベストでしょう。

でも、今シーズンがそうであったように、予定通りに行かないのが世の常です。チームのバランスが崩れて、立て直す必要がでてくる局面が必ずあるはずです。そんな時、秀人の替わりの選手がいるのでしょうか?

橋本拳人?米本拓司?

彼らの負傷が癒えて完全復活したとして、秀人の替わりにはならないでしょう。秀人の一番の特徴は、強さや高さと言った単純な守備力ではなく、戦術眼だと思うのです。スペースを埋めながら、チーム全体のバランスを整える力。悪いところがあったら、どこが悪くて、どんな薬が効くのかを知っているお医者さんのような選手なのです。悪い時の方がむしろ活躍する。そんな彼をぼくはこう呼びます、ドクターヒデト。

そんな彼がいなくなるとなると、これは一大事ですよ。街からお医者さんがいなくなっちゃうことを想像してください。病気になったら頼れる人がいないのですよ。薬出してくれる人がいないのですよ。風邪と思ったら癌だったなんてことがおきるわけですよ。

今シーズンだって、高橋秀人がいなかったことを考えると、恐ろしや、恐ろしや……。二部落ちしてたというのがぼくの見立てです。

出番に恵まれずに普通の選手なら腐っても不思議でもない状況でありながら、決して準備を怠らず、チームのピンチを見事に救って見せたあなたは本当にかっこよかったです。

そんな彼を手放さなくてはならない状況が残念でなりません……。

でも、実は最高の物語として、高橋秀人が監督として東京に戻ってくることを期待しているんですよね。その時に、今回の移籍が素晴らしい糧になっていることを願って止みません。秀人東京(ヒデトーキョウ)への布石として、ネルシーニョの薫陶を受けに行くと前向きに考えたいです。

神戸での活躍と、東京への凱旋を楽しみにしてますよ。