久々に下北界隈に来ました。少し時間があったので散歩がてらに宛てもなくフラフラしていたのですが、偶然この古着屋の前を通りかかりました。そう「CHICAGO」です。

今から24、5年前、ぼくが高校生だった頃、古着を求めてよく下北沢に来ていました。よく行ったお店の一つがCHICAGOでした。

今の店構えも、ぼくが高校生の頃とまったく変わっていません。変わっているのかもしれませんが、少なくともぼくにとってはまったく同じ印象です。そして一歩足を踏み入れると古着屋特有のあのお香を炊いたような匂いが鼻につきます。お客さんも高校生や大学生くらいの若い子ばかりで賑わっています。
ここで青春がフラッシュバックします。
あの高校生のころの自尊心と虚栄心と劣等感がないまぜになったような気持ちが蘇ったのです。
小田急線で下北沢に来て、古着屋を散策していた日々。なんだか夕暮れ時ばっかりに来ていたような気がします。特に目当ての品を求めてというよりは、ただただ掘り出し物との出会いを求めて散策していました。お気に入りの品と出会ったこともあるし、結局何にも買わずに帰った日もありました。何も買わなくても一種の充足感のようなものはありました。下北に来ること自体に意味があったのです。

ふと我に帰り愕然とします。
CHICAGOは変わらずにそこにあるのに、自分だけおじさんになってしまった……。