代々木上原のお蕎麦屋さん「山都」さんです。
いつも大将おまかせでの日本酒をいただきます。選りすぐりの旨い酒と旨い肴が気楽に楽しめる大好きなお店です。蕎麦屋で飲むと何がいいか?と言われるとやっぱり料理の完成度が高いことですよね。出汁巻にしたって出汁の本気度が違いますもの。旨い肴の最後に、そばで締めれるというのも良いです。真打ち登場的なクライマックスの盛り上がり感がたまりません。普通の居酒屋だとこうはいきません。最後のお茶漬けのときとか、ちょっと名残惜しい寂しい気分になってしまいます。

と言いつつ、今日のクライマックスは蕎麦ではなく食事半ばにありました。伯楽星で有名な新澤醸造店が醸す究極の酒「残響」をいただきました。精米歩合なんと7%!7%ですよ。日本酒は米を削ることで雑味を取り除いて香り豊かな酒を作ります(雑味とするか持ち味とするかは好みにもよりますが)。日本酒の格付けの世界では米を50%削ると最も贅沢なお酒としての冠、大吟醸酒を名乗ることができます。精米歩合7%とは、93%の米を削ってしまっていることになります。9割以上捨てちゃうんですよ、どんだけ贅沢なお酒なんだよ……。

お味の方はというと、まさに「残響」というネーミングにふさわしい。口の中に入れた瞬間に広がる優しい香りと喉を通った後の静かな余韻が、オーケストラの演奏がピタッと止まった瞬間の心地よい残響を思い起こさせます。うっとりするくらいきれいなお酒です。
決して声高で自己主張の強いお酒ではありません。ともすると物足りないと思う人もいるくらい繊細な味わいです。目を閉じて耳を澄ますように味わいたい。そんなお酒です。

ありがたや。ありがたや。そんな気持ちで胸が一杯です。精米歩合7%というお米を贅沢に使っているということはもちろんですが、普通じゃ手に入らない超希少品であろうこんなお酒をぼくなんかにご相伴あずからせていただいた大将に感謝感激雨あられです。