日本代表、アジア最終予選 VS イラク戦。ホーム@埼玉スタジアム。

それにしても痺れる試合でした。
引き分けようものなら、ワールドカップ出場に黄信号から赤信号に変わろうかという状況で、危機一髪、見事にうっちゃりを決めてくれました。

劇的弾バースデイ男の山口蛍は当然ヒーローですが、香川からポジションを奪った清武や左サイドでチャンスを得た原口の二人も本当に素晴らしい出来でした。

そして、もう一人忘れてはいけないヒーローがいます。そう、我らがFC東京軍の闘将、森重真人その人です。

タイトな守備と最後尾からのビルドアップは安定していました。セットプレイ以外はピンチというピンチはなかったのではないでしょうか?決して目立たないですが、その堅牢な守備と堅実なビルドアップはチーム全体に安心感をもたらしました。

そして、なんといってもハイライトは山口蛍劇的弾のシーンでの一コマです。フリーキックからの競り合いからこぼれたボールをダイレクトで山口蛍がゴールにけり込むわけですが、その弾道の先に森重がいたのです。しかもオフサイドポジションに!ここでボールに関与すると、間違いなくオフサイドになってしまいます。急に自分の方にボールが飛んでくるわけですから、普通なら反射的につい足が出たりと反応してしまうものです。ところが森重は、ボールに反応しません。むしろたまたまそこにいた通りすがりの人のようにも見えるのです。そしてゴールがネットを揺らすやいなや喜びを爆発させます。――まさに助演男優賞。

この超ファインプレイは、審判はおろか観客までも欺いているだけに、決して日の目を見ることはないと思います。だからせめてぼくだけでも称えたいと思います。

いよっ!千両役者!!