愛妻弁当がどんな味がするのか知っていますか?

ぼくはその味を年に数回味わうことができます。でもそれはぼくのために作られたものではありません。無理もありません。妻は妻なだけでなく、母であり社会人でもあるのです。毎日家事に仕事にと忙しいのです。そりゃあ旦那の弁当なんて作ってる暇は無いですよ。もしも弁当作ってくれろなんて言おうものならぶん殴られそうですし。

でも、そんな妻がお弁当を作る時があります。そう、二人の娘の遠足の時です。娘たちが大好きなハンバーグが必ず入っています。そんなお弁当の具を作る際、妻はかなり多めに作ります。弁当箱に入りきらずに余った料理は一旦冷凍庫にて保存されます。
そして数日後の娘も忘れた頃の晩御飯に同じハンバーグが登場するのです。冒頭の写真のハンバーグがそれです。お弁当用に少し小さ目のサイズです。よく火が通るように煮込みハンバーグの要領で、ソースで煮込んで味付けをしてあります。うまいんだな、これが。

そしてそれはそれは愛情たっぷりです。その愛がたとえ自分に向けられたものでなかったしても、愛情の込められた料理はとても美味しいのです。

このハンバーグを食べる時、いつもこう思います。

――愛妻弁当の味もきっとこんな味なんだろうな