パスポートの更新に行ってきました。昔に取ったパスポートと随分変わっていて驚きました。ぼくが持っていた古いものは、ペラペラの手帳みたいなものでしたが今はチップが埋め込まれたりしてて、かなり厚手のものなんですね。判子がべたべた押してあってよれよれの昔のパスポートが、新品のカッチリしたものに生まれ変わり、なんだか自分も生まれ変わったようで背筋まで伸びる思いです。

ここ都庁の旅券センターに行ってきたわけですが、改めて至近距離で見る都庁はやっぱり大迫力ですね。こりゃあ要塞だわ。

設計はかの丹下健三。パリのノートルダム寺院やコンピューターチップから意匠の着想を得ていると言われていますが、ぼくはむしろゼビウスから着想を得たのではないかと気づいてしまいました。都庁を真下から見上げたその瞬間、ゼビウスの要塞がフラッシュバックしたのです。小学校時代にゲームセンターで感じたあの圧倒的な威圧感とそれを前にした時に感じた自分の無力感がまざまざと蘇ったのです。

ぼくは一瞬放心状態になりながら、助けを求めるようにこうつぶやきました。
「た、高橋名人……」。

そして、視線を少し横にずらすと都庁の第二庁舎が見えます。こちらも紛うことなき要塞です。
「も、毛利名人……」。

そんな、畏怖の念を抱かずにはいられない建築、都庁。竣工当時はその建設費の高さからバベルの塔ならぬ「バブル」の塔と揶揄されたそうですが、二十六年経った今、東京のランドマークとして都民が誇りに思っていることは間違いありません。

新国立競技場の問題も、いろいろありましたが、最終的には都民が誇りを持てるものになってもらいたいものですね。