「フランク・ゲーリー展」
@21_21 DESIGN SIGHT

野球選手でゲーリーといえば、中日最強の左の助っ人でお馴染みのあの3番ゲーリーである。
一方、建築家でゲーリーといえば、グッケンハイム ビルバオでお馴染みのあのフランク・ゲーリーである。

フランク・ゲーリークラスの建築家になると、もはや事務所もハンパない広さになっています。模型がところ狭しと並んでいますが、これでも現在進行中のプロジェクトのほんの一部だそうです。膨大な数の模型の置き場所をまじめに用意するとなると破産すると書いてありました。

フランク・ゲーリーの事務所。

フランク・ゲーリーの事務所。

 

フランク・ゲーリーの仕事場というと、勝手に個人事務所のアトリエのような作業場を想像していました。職人気質のゲーリーとそれをサポートする数人の弟子たち。秘密のアトリエの選ばれし少数精鋭によって生み出される神々しいまでの創造物。そんなイメージでした。
でも実際には、見ての通りの大所帯です。そこには多くの人間が協力して働いている姿が見えます。個人のアトリエというよりは、普通の会社のオフィス然としたところがあります。

「フランク・ゲーリーは一人の人間ではなく、フランク・ゲーリーという概念である。」

TOYOTAが豊田さんでないように、HONDAが本田さんでないように、フランク・ゲーリーとは、もはや個人ではないのだと。そんなことを強く感じた展覧会でありました。
(本展は、作品そのものというよりは、フランク・ゲーリー周辺の組織を強く意識させる構成でありました。)

そしてフランク・ゲーリーとは、たった一人の人間の才能というよりは、人類の叡智であるとすら思うのです。

一方、中日のゲーリーも、一人だけでその地位を確固たるものにしたわけではなく、4番落合、5番宇野あってのゲーリーでもあったことは言うまでもありません。