六本木ヒルズ森タワー屋上のスカイデッキです。先日、森美術館での展覧会のついでにこちらにも寄ってみました。360°を見渡せる展望デッキが屋上の外径をぐるり一周取り囲んでいます。そのデッキを歩いて東京の大パノラマを存分に楽しむことができるのですが、そのデッキの無い内側の部分はヘリポートになっています。

そのヘリポートを見ながら、ふとこんな言葉が思い浮かびました。

――「男はヘリ、女はヘリポート。」

「男は船、女は港。」という言葉があります。要するに男はあちこちの港で浮気をするけども、女はそれを待つしかない的な意味で使われていると思います。
そこで大航海時代ならまだしも、現代風にアレンジするとやっぱりヘリでしょうと思ったわけです。

颯爽とバリバリ飛んで行って、船なんかよりももっとたくさんのヘリポートを行き来できるのではないか?と思いました。
でもちょっと考えるとこの話はそんなに簡単でないと気づきます。まずヘリポートの数が世の中的にそんなに無いぞ、と。どこにあるのかも、たかが知れています。距離的にもヘリで行ける距離は船に比べてかなり近場になる気もします。どこにいるかもすぐにばれてしまうでしょう。途中、空のどこかで停泊するということはもちろんできないので、着陸できないという事態は絶対に避けねばなりません。必ず着陸できるという信頼関係があるからこそ離陸もできるのです。
もしも、出発したはいいが着陸できるヘリポートがなかったら……。帰還しようにもヘリポートに着陸を拒否されたら……それは死を意味します。

「男はヘリ、女はヘリポート。」

そう、この考えは命取りであるのです。

 

そもそも「男は船、女は港」なんて言おうものなら、たちまち半殺しなんですけどね。