「十四代 純米吟醸 白鶴錦」。旨いです。うっとりするくらい旨いです。十四代に恋する四十代の瞳がうるうるしています。(気持ち悪い)

白鶴錦という酒米、初めて聞きました。調べてみましたところ、なんとあの「白鶴まる」のTVCMでお馴染みの白鶴酒蔵が、山田錦の母に当たる「山田穂」と父に当たる「渡船」を交配させ、優れた米の選抜と栽培を毎年繰り返し、2007年についに誕生させた山田錦の兄弟品種がこの「白鶴錦」だそうです。

いわゆるコマーシャルな大メーカーが開発した酒米を、地酒の盟主であるで高木酒造が醸すというアンチテーゼ的なお酒がこの「十四代 純米吟醸 白鶴錦」です。

華やかな香りとフルーティな味わいでありながら、深くまろやかなコクと旨みを感じる圧巻の味わい。まさに十四代の面目躍如といったところでしょうか。

今年も何銘柄か十四代をいただきました。それぞれに特徴はあるのですが、どれを飲んでもこれは十四代だなぁと思うのですよね。

なんというか、これは日本酒界のビートルズだなと。
Come TogetherもHey JudeもWhile My Guitar Gently WeepsもYellow Submarinだって、曲調やボーカルは違えどみんなビートルズじゃないですか。ジョンが歌おうが、ポールが歌おうと、ジョージが歌おうと、なんならリンゴが歌ったって一瞬聴いただけで全部ビートルズじゃないですか。

ビートルズの曲にはビートルズの魔法がかかっているように、十四代には十四代の魔法がかかっているのでないかと、飲むたびにそんなことを考えてしまいます。