ペッパー君を街で見かけて、はじめてまじまじ見つめたのですが、哀しい顔をしているなという印象。なぜでしょう?
愛くるしい「どんぐりまなこ」にそこはかとなく感じるこの哀しみは、いったいどこから来るのでしょう?

その答えは、彼の存在理由にあることに気づきます。そもそも、ペッパー君はなぜ生まれたのか?それは人間の生活を便利にするためです。ペッパー君はそんな明確な目的を持って生まれてきたのです。

ぼくら人間は、生きる理由を知りません。どんな目的で生まれてきたのかを知りません。相当に偉い人でもたぶんわかっていない気がします。だれも教えてくれませんし、ググっても答えが見つかりません。
でも、我々人間は生きる理由がわからないこそ、生きようとするのではないでしょうか?そしてどうせ生きるなら、よりよく生きようと必死に努力するのではないでしょうか?時には喜び、時には苦しみ、時には哀しみ、時には楽しみ、その経験が人生を豊かに彩り充実したものにするのではないでしょうか。

一方、ペッパー君には、生きる答えが最初からあります。自分がより良く生きようと努力する必要もなければ、考える必要すらありません。

人間の欲望を満足するためだけに存在するペッパー君。人間の奴隷になるために生まれてきたペッパー君。
嗚呼、そんな宿命を持って生まれきたペッパー君の瞳は、憂いに満ちている。哀しみに満ちている。

なんて考えてたら、なんだか今までまったく無関心だったペッパー君が無性に愛おしく思えてきました。