たねやの完熟梅ゼリー。和歌山産の南高梅が丸ごと一個入っています。ひとくち食べるとぎゅっとつまった濃厚な梅の果汁が口いっぱいに広がります。鮮烈な梅の香りと深い甘味、爽やかな酸味とが見事なハーモニーを奏でます。味わいが立体的で食べごたえがあり、つるっと食べるというよりは、じっくり食べたい、そんなゼリーです。

ただしこのお菓子、8月中旬までの販売なので、今年はもうおしまいです。また来年まで食べれません。

季節感のあるお菓子との別れが年々切なくなります。また来年無事に食べることができるかなぁ?とか、死ぬまでにあと何回食べることができるのかなぁ?とか。来年梅が不作だったらどうしよう?とかついつい考えてしまいます。そして、一年間無事に過ごしてまた同じ味に出会えると、はぁ良かったなぁと心の底から安堵します。しみじみします。お天道様に感謝します。

この別れと出会いも和菓子を味わう上での醍醐味だよなぁと思ったりします。和菓子には季節感があります。素材が季節のものというパターンもありますし、見た目を季節のものに似せるというパターンもあります。美しい季節の移ろいを愛でるという美意識と精神性がぼくら日本人のDNAに備わっているからでしょう。洋菓子ではこうはいきません。

あ!

これゼリーだから洋菓子だ。