日本酒に恋をしています。
愛してるでも、大好きでもなく、恋してる。

十四代の飲みながら、そう思いました。
このほんのり甘く爽やかで儚くも力強い味わいが、愛してるというには重すぎて、大好きというほど軽くもない、そんな十代の恋を思い出させるのです。四十代のおっさんの僕が今さらながらに恋の味を楽しめるのは、この十四代のおかげです。

新宿三丁目の日本酒居酒屋「とときち」さんにて、十四代 中取り純米吟醸の「愛山」と「雄町」の飲み比べです。
どちらも華やかな香りとふくよかな旨み、甘味と酸味で織りなす複雑な味わいが青春のほとばしりのようなハーモニーを奏でます。
その味のバランスの微妙な違いが、「愛山」と「雄町」それぞれの個性を主張します。

「美しい」「味」と書いて、「美味しい」。
どちらのお酒も読んで字のごとく本当にキレイな味のお酒です。

では、この愛山と雄町、どちらが美味しいか?

ユミちゃんもいいけど、アミちゃんもいい。選べっこない。
そんな質問はパフィーはどっちがカワイイか?みたいな愚問だと思う訳です。

要するに青春の味に優劣なんてないように、十四代の味に優劣なんてないのです。
はい、そうです。みんな美味しい。