新宿でうどん屋さんと言えば「慎」です。注文が入ってから切ってゆでる麺は、もっちりとノビがあり、のどでもおいしい!そんなうどんです。

で、うどんはもちろん美味しいのですが、特筆すべきは、かしわ天。いや、ゴボウ天も。いやえび天も。つまり天ぷら全般がとても美味しいのです。素材の良さと揚げの技術で直球勝負する天ぷら屋の王道天ぷらではなくて、下仕事でいかにうまくするかの創意がありありと見える弱者の天ぷらです。

かしわ天。むっちゃジューシーです。この肉の繊維に旨みがしみてる感じは、衣をつける前に、たれにつけ込んでるに違いないのですが、どうしたらこんなに美味しくジューシーに仕上がるのか、その秘密が知りたい!
ゴボウ天。うまい。ほっこりしゃっきり絶妙な食感。こちらも衣をつける前の下仕事に秘密があるに違いない。
エビ天。ぷりんぷりん。この半生仕上げは、食感の妙と甘味が抜群に引き出されていてお見事!

弱者の天ぷら、いいじゃないですか。弱者万歳ですよ。弱いからこそ、あの手この手の創意で王者に肉薄するその感じがとても好きです。

まさにジャイアントキリング。
決して天ぷらの世界だけの話でなく、そういう仕事を見習いたいものです。

かしわ天。奥がごぼう天。

かしわ天。奥がごぼう天。